日本唯一のホバークラフト、15年ぶりに復活! 「大分空港~大分市を結ぶルート」は一体どう変わったのか?

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15年ぶりに、大分空港と大分市を結ぶホーバークラフトが復活する。新しい航路や施設、船体デザインなど、以前の「大分ホーバーフェリー」とは異なる特徴を持っている。新型のホーバークラフトは、英国製の最新船を採用し、最高時速83kmで快適な高速航行を実現。2024年11月末からは、別府湾クルーズも始まる。

所有者が変わる!上下分離方式で安定した運営めざす

 大分第一ホーバードライブのインフラ部分は大分県が所有。公設上下分離方式で運営される。大分県庁舎新館(画像:若杉優貴)
大分第一ホーバードライブのインフラ部分は大分県が所有。公設上下分離方式で運営される。大分県庁舎新館(画像:若杉優貴)

 以前の大分ホーバーフェリーでは、

・船
・ターミナル
・整備場

などの運航施設は運航会社が所有していた。しかし、今回は船や運航施設を

「大分県」

が保有し、民間事業者である大分第一ホーバードライブが運航を担当する公設型上下分離方式を採用する。

 この仕組みにより、事業者の経済的負担を軽減し、安定した運営が可能になるという。

発着点が変わる!大分側は移転、空港側ターミナルも一新

ほぼ完成した大分空港の新ホーバーターミナル。愛称は「HOV.OTA」(ホボッタ)。運航施設は大分県が所有する(画像:若杉優貴)
ほぼ完成した大分空港の新ホーバーターミナル。愛称は「HOV.OTA」(ホボッタ)。運航施設は大分県が所有する(画像:若杉優貴)

 もともと大分空港は、大分市中心部に近い現在の大分県立大洲総合運動公園エリアに位置していた。この場所は「大洲」の名のとおり川の中州にあり、敷地を拡張することができなかったため、1971(昭和46)年に大分市から約60km離れた東国東郡安岐町・武蔵町(現・国東市)に移転した。

 新しい大分空港は、大分市から陸路で約60kmの距離にあり、その高速交通手段として選ばれたのが別府湾をショートカットするホーバークラフトだった。

 2009年まで運航していた大分ホーバーフェリーは、旧大分空港があった大洲総合運動公園の西側、大分市西新地に基地を構えていた。大分駅から旧ホーバー基地まで約4kmで、直行バスで約15分だったが、大分市中心部を通るため朝夕の渋滞で遅延することもあった。

 新しいホーバー基地は、以前よりも別府寄りの西大分港に位置している。現在、関西方面への船が発着している西大分港フェリーターミナルは、JR西大分駅から徒歩圏内で、幹線道路にも近い。そのため、路線バスの本数が多く、電車やバスを降りて徒歩で向かう客も見られた。しかし、ホーバー基地はその北側にあり、西大分駅からの距離は約2km弱。徒歩だと25分ほどかかるため、JR駅から徒歩でのアクセスは現実的ではない。

 そのため、大分駅から新ホーバー基地までの直行バスや、マイカーでのアクセスが主な交通手段となる。西大分のターミナルには隣接して駐車場も設置されており、当面の間、乗船者は無料で利用できる予定だ。

 大分駅から新ホーバー基地までは約2.5kmで、以前の基地よりも少し近いため、直行バスならば約10分でアクセスできる。しかし、こちらのルートも大分市中心部を通るため、朝夕は渋滞の可能性がある。なお、大分空港側のターミナルは、以前とほぼ同じ場所に新しく建てられたものだ。元の建物は解体されており、現在は新しい施設が完成している。

 大分ホーバーフェリー時代には、別府国際観光港や姫島発着便(不定期便)も運航されていたが、現在は計画されていない。その代わりに、西大分港から別府湾クルーズが運航される予定で、2024年11月30日から土日を中心に運行が始まる。クルーズは約30分で、料金は2000円(現金決済は2500円)となっている。

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