新幹線なのに在来線? JR西日本の不思議路線「博多南線」をご存じか

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博多駅から博多南駅を結ぶ8.5kmの博多南線。新幹線単独駅ではなく、九州新幹線の「本線」として運行されている。いったいなぜだろうか。

那珂川市は「輸送力向上」を望むも…「回送線」ゆえの苦悩

博多南線の表示は「こだま」へと変わり、新大阪へと旅立っていった(画像:若杉優貴)
博多南線の表示は「こだま」へと変わり、新大阪へと旅立っていった(画像:若杉優貴)

 さて、都市化が続く博多南駅前の状況とは裏腹に、現在も博多南線の列車本数は1時間に1~2本、ラッシュ時でも最大3~4本と、ベッドタウン路線としては少ないように感じられる。

 取材日も休日でありながらそれなりの乗車率であったし、もう少し本数が増やせないものかとも思うが、博多南線はあくまでも回送列車に乗車できる路線。ラッシュ時には博多南線内完結の列車もあるものの、ほとんどの列車は博多駅から西へと向かう列車だ。

 何より、博多南線の大部分は2011年の九州新幹線開通によって単なる回送線ではなく、九州新幹線の本線となった。那珂川市側も博多南線のさらなる輸送力の向上を要請しているものの、九州新幹線などの列車ダイヤとの調整もあり、これ以上の大きな増発は難しいという。

 博多南駅の周辺を1時間弱散策したのち駅に戻り、再び新幹線に乗り込む。車内は相変わらず親子・家族連れが多く、まるで和気あいあいとした後楽列車のよう。よく見ると往路に見かけたとおぼしき顔も少なくなく、やはり新幹線に乗ること自体が目的の客も多かったのだろう。

 往路と同様、博多駅まではわずか約8分の短い旅路だ。短い乗車時間を思う存分に楽しむ家族連れのなかには、校外学習や修学旅行、旅行・帰省などで新幹線を利用する予定でありながらもコロナ禍で乗車がかなわなかった子どもたちも居るかもしれない。

 博多南線はあくまでも回送線。それゆえ、多くの列車は博多駅で数分停車したのち、こだまやひかりとして新大阪駅へと旅立っていく。車内で記念撮影をする親子の姿を見ながら、感染状況が収まって再びこの一家が新幹線で旅行することができますように…と願わずにはいられなかった。

※本取材・撮影は2022年3月11日のダイヤ改正前に行ったものであり、データは改正前のもの。

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