新幹線なのに在来線? JR西日本の不思議路線「博多南線」をご存じか

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博多駅から博多南駅を結ぶ8.5kmの博多南線。新幹線単独駅ではなく、九州新幹線の「本線」として運行されている。いったいなぜだろうか。

1~3号車がガラガラなワケ

車内はガラガラ? それには理由が……。博多南駅到着時に撮影(画像:若杉優貴)
車内はガラガラ? それには理由が……。博多南駅到着時に撮影(画像:若杉優貴)

 短い時間で車内を散策してみる。

 現在700系新幹線の最高速度は時速285kmであるが、博多南線内の制限速度は時速120km(線路を共用する九州新幹線も同様)。それゆえ博多南線内では走行中に車内を歩いてもほとんど揺れず、まるで徐行しているようにさえ感じられる。実際には時速100km前後出ているはずだが……。

 1号車から各車両を巡っていくと、ホームには多くの乗客があふれていたにもかかわらず、1号車はガラガラ、そして2号車・3号車もガラガラ……実はこれには訳がある。

 今回乗車した700系レールスターの車両は、デビュー当時、ひかりレールスターで通常時自由席として使われていた1号車から3号車までは、現在のN700系のぞみ等と同じく、1列がふたり+3人の5人掛けシート、4号車から8号車までは、広々としたふたり+ふたりの4人掛けシート。つまり短い乗車時間ながら、多くの乗客はこの4号車から8号車までの車両を選んで乗車しているのだ。

 4号車から8号車までは、各列が6~7割ほど埋まる程度の乗車率だった。おそらくこの列車の乗客のほとんどは地元住民か新幹線好きばかりだろう。座席の広さの違いは周知のものであり、つまり

「分かって乗っている」

のだろう。

 ちなみにこのレールスターには、8号車に定員4人の個室(コンパートメント)も設けられておりひかりやこだまとして運用される際は、普通車指定席として利用することができる。この個室は、博多南線ではほとんどの列車では基本的に利用不可だが、2020年よりソーシャルディスタンス対策として、ラッシュ時のみ自由席として開放される列車も存在する。

 筆者が乗車した時間帯は日中であるため利用不可であった。とはいえ、勝手に座っている複数の家族連れも見かけた。

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