「電車アイコン」の人は過激派?穏健派? 批判意見ばかりのSNS、結局愛情と誹謗中傷は表裏一体なのか
SNS上の誹謗中傷が深刻化し、社会問題として注目されている。SNS利用者の約65%が他者に対する攻撃的な投稿を目撃し、実際に8%が被害を感じているという。背景には「匿名性」や「集団的影響」などがあり、過度な批判がエスカレートする原因として心理学的な要因も浮かび上がる。誹謗中傷を防ぐためには、投稿時の注意深さや、攻撃的コメントを制限する仕組みの導入が必要だ。
「正当な批判」と思って投稿している

誹謗中傷を行う本人は、どのような考えを持ってコメント・投稿をしているのだろうか。
弁護士ドットコムの調査によると、誹謗中傷を行った動機について
「正当な批判・論評だと思った」
が最も多く(51.1%)、
・イライラする感情の発散(34.1%)
・誹謗中傷の相手方に対する嫌がらせ(22.7%)
・虚偽または真偽不明の情報を真実だと思いこみ投稿した(9.1%)
との結果が出た。このことから、そもそも自身の投稿が誹謗中傷だと思わないまま、「正義感」などから投稿してしまう人が多くいることが明らかとなった。
自分が誹謗中傷ではなく正当な批判を行っていると思い込んでしまうのはなぜなのだろうか。これには
「投影同一視(とうえいどういつし)」
という心理学的な背景がありそうだ。
批判・論評するのは「自分を守るため」
投影同一視とは、自分の感情や欲望、特性、不安などを他人や外部に投影し、それを自分の一部として認識する心理学や精神分析の概念だ。
自分の内面を他人に映し出し、その反映されたものをあたかも他人が持っている特性だと思い込む過程のことだ。簡単にいうと、自身が受け止めきれない自身の
・嫌な部分
・認めたくない感情
を、他者に投影することで嫌な自分と向き合うことを回避する、「自分を守るため」の心理を指す。例えば、AがBを一方的に嫌っていたとしても、なぜか
「Bも私(A)のことが嫌い」
とAが思うようになり、さらにBに対して攻撃的な行動をとることなどである。他の例を挙げると、Aは自分の行動が適切でなかったためBに責められるのではと感じた際、
「Bは私を責めている」
と思い、
「B自身にも反省すべき点があるのではないか」
などと考えて、BがAを責めないようコントロールするような言動をとることがあるが、これも投影同一視の影響と考えられる。