「電車アイコン」の人は過激派?穏健派? 批判意見ばかりのSNS、結局愛情と誹謗中傷は表裏一体なのか
SNS上の誹謗中傷が深刻化し、社会問題として注目されている。SNS利用者の約65%が他者に対する攻撃的な投稿を目撃し、実際に8%が被害を感じているという。背景には「匿名性」や「集団的影響」などがあり、過度な批判がエスカレートする原因として心理学的な要因も浮かび上がる。誹謗中傷を防ぐためには、投稿時の注意深さや、攻撃的コメントを制限する仕組みの導入が必要だ。
SNSでの誹謗中傷は増加傾向
インターネットが一般化するにともない、SNSなどでの誹謗(ひぼう)中傷による被害が社会問題として深刻化している。
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実際、SNS利用者の約65%が他者に対する攻撃的な投稿を目撃しており、特に
・X(旧ツイッター)
・ユーチューブ
・ヤフーコメント
では誹謗中傷を目にしやすい状況が広がっている(三菱総研)。
総務省が運営委託する違法・有害情報相談センターの相談件数も増加傾向にあり、実際に被害を受けたと感じた人は過去1年間にSNSを利用した人の
「8%」
にまで上る(総務省白書)。SNSの誹謗中傷は自死などの大きな影響をもたらすとケースもある。自分の一言が大きな影響を及ぼす可能性があると想像しやすいにもかかわらず、なぜ誹謗中傷が依然として見られるのだろうか。
誹謗中傷を投稿する理由はいくつもある
誹謗中傷が発生する背景にはいくつもの理由が考えられる。
まず、SNSサービス上の特徴である「匿名性の高さ」が挙げられる。SNSやインターネット上では、本名や顔を隠せるため、投稿主の責任感が希薄になり、軽い気持ちで攻撃的なコメントを投稿してしまうことがある。
他にも、社会・集団的要因として、自分以外の人々による批判的な投稿を見ることで、
「大勢の人が批判的な意見を投稿しているから、自分も投稿して問題ないだろう」
と思うことが考えられる。それに加え、批判する人たちが集団化することにより、自分自身が持っていた意見よりも集団の極端な意見に偏るという心理的な要因なども考えられる。