京都「三条駅前」再開発が動き始めた! なぜ“最後の一等地”と呼ばれるのか? 文化発信拠点整備で変わる街の未来とは
京都市中心部、京阪電鉄三条駅前の東山区で再開発計画が進行中だ。この地域は“最後の一等地”ともいわれており、京文化を発信する複合施設が整備される予定だ。これにより、街の景観や雰囲気がどのように変わるのか、注目が集まっている。
景観保護との折り合いが課題に

三条駅前のうち、川端通は京阪本線の地上線跡と琵琶湖疎水の暗渠(あんきょ。地下水路)化で生まれた土地に整備され、商業施設が集積していないが、3階建て南北2棟の三条駅ビルと三条通には、それなりの飲食店や物販店、宿泊施設がある。市中心部の交通結節点であることを考慮すれば、歴史的な京都の玄関というだけでない潜在能力を感じられる。
南の祇園や四条河原町に加え、平安神宮や哲学の道などがある北の岡崎エリア(左京区)にも近い。京阪本線に乗れば伏見稲荷大社(伏見区)まで乗り換えなし。東西線を使えば二条城(中京区)まで5分で着く。京都駅(下京区)からのアクセスは電車を乗り継ぐか、バスしかないが、観光利用の拠点にはもってこいだ。
駅の乗車人員も少なくない。京都府企画統計課によると、2022年度の三条駅年間乗車人員は約510万人、三条京阪駅は約410万人。三条駅は府内の京阪電鉄の駅で
・丹波橋駅(伏見区)
・祇園四条駅(東山区)
・出町柳駅(左京区)
に次いで多い。三条京阪駅は東西線で
・烏丸御池駅(中京区)
・山科駅(山科区)
・京都市役所前駅(中京区)
に次ぐ。
JR西日本や近鉄、地下鉄などの京都駅、阪急電鉄の烏丸駅(下京区)、京都河原町駅(同)と比較すれば半分以下だが、拠点駅の役割を果たしていることに変わりない。地元で再開発に期待する声が出るのはうなずけるところだ。
しかし、現地は鴨川の流れと間近に迫った東山を一望できる京都ならではの風情がある。
「安易な高さ制限緩和」
には住民の反発が予想される。京都市も簡単に認めるはずがない。景観保護と折り合いをつけながら、京阪グループはどのような計画をまとめるのか、地元の商業者らは注視している。