「自動駐車」システムが、日本の都市部で普及しない根本理由! 技術・空間・安全性の壁を考える
自動バレーパーキングシステムは、都市部の駐車場不足を解消し、効率的な運営を実現する革新的な技術だ。2024年には市場規模が11億8000万ドルに達し、今後15.6%の成長が予測されている。しかし、普及には技術的な課題や駐車場スペースの制約があり、安全性やプライバシー問題も懸念されている。それでも、進化するセンサー技術やAIがこれらの課題を解決する可能性がある。
進化する駐車技術
近年、「自動バレーパーキングシステム」が注目を集めている。自動バレーパーキングシステムとは、駐車場で車を自動的に駐車する技術だ。ドライバーが駐車場の入り口で車を降りると、車が自動で指定された駐車スペースに停められ、後で車を取りに行くと、車が自動で指定した場所まで移動してくる仕組みになっている。
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自動ではないバレーパーキング自体は、もともとホテルやレストランなどで従業員が車を駐車するサービスだった。しかし、1990年代から自動化の試みが始まり、2000年代に入ると、自動運転技術の進展とともに具体化が進んだ。2010年代には、ダイムラー、ボッシュ、日立、デンソーなどの企業がこのシステムの開発に取り組んだ。
2013(平成25)年には、東京で開催された「ITS世界会議」でホンダがデモンストレーションを行い、2017年にはボッシュとダイムラーが共同開発したシステムをドイツのメルセデス・ベンツ博物館で公開した。
日本でも、2018年にデンソーが三井不動産リアルティと協力し、「三井のリパーク」駐車場で技術の検証を進めた。そして2023年には、日本とドイツが共同開発した自動バレーパーキングシステムが国際標準として認められた。