「孤独のグルメ」ファンの矛盾! 全然“孤独”じゃない聖地巡礼、本当にそれでいいのか?
『孤独のグルメ』の人気は、聖地巡礼現象を引き起こし、地域の交通やモビリティに影響を与えている。ドラマに登場した飲食店に訪れるファンが増え、地域経済には貢献しているものの、混雑も引き起こしている。この現象を通じて、モビリティ産業の新たな課題やチャンスを探り、地域活性化にどう活かすかを考える必要がある。
原作は漫画、1997年に単行本化

『孤独のグルメ』は、もともと漫画を実写化した作品である。原作は久住昌之、作画は谷口ジローが手掛け、1994(平成6)年から1996年まで『月刊PANjA』(扶桑社)で連載された。その後、2008年に『SPA!』(扶桑社)で読み切りが発表され、2015年まで新作が断続的に発表された。
今の人気とは裏腹に、最初の連載当時はまったく注目されていなかった。『月刊PANjA』は、『SPA!』の2代目編集長に招かれた渡邊直樹が創刊した月刊誌で、当時の『SPA!』の「濃さ」を月刊誌として楽しめる内容にしたものだった。
しかし、雑誌の売れ行きは振るわず、そこで連載が始まった『孤独のグルメ』もほとんど注目されなかった。なお、渡邊氏は小林よしのりをはじめ、中尊寺ゆつこや宅八郎の連載で、ヒットを飛ばした名物編集者である。
連載終了後の1997年に扶桑社から単行本が刊行されたものの、あまり話題にはならなかった。書評としても、1998年1月15日号の『週刊文春』で漫画家の吉田戦車が好意的に紹介した程度だった。