「女性の性被害が多い」 SNSで話題の「東京・水元公園」は本当に危険なのか? 葛飾区の治安データから読み解く、SNSの危うさと真実とは
イメージの根源は1984年
水元公園に対するネガティブなイメージは、1984(昭和59)年に起きた不幸な事件が原因だ。
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この事件は5月24日の夜、公園内の遊歩道でオートバイに乗っていた17歳の高校生が、何者かによって路上に張られたナイロンテープに首を引っかけて転倒し、頭を強く打って死亡したもの。事件現場は駐車場に通じる遊歩道で、夜間は自転車の乗り入れが禁止されていたが、鍵を壊して侵入する少年たちが絶えず、問題視されていた。騒音に耐えかねた近隣住民が犯行に関与したのではないかとも考えられたが、事件は未解決のままだった。
当時、暴走族が全国的な社会問題となっていたため、亡くなった高校生が暴走族でないにもかかわらず、関連づけられることが多かった。この事件を通じて、水元公園には
「なんとなく危険」
なイメージが定着したと考えられる。
しかし、報道が少ないからといって、安全だと判断するのは早すぎる。そこで、客観的なデータを使って、水元公園を含む地域の治安を確認してみた。2023年の葛飾署管内の犯罪発生状況を見ると、水元公園がある葛飾区の東金町地区、水元地区、西水元地区の犯罪総数は次のとおりだ。
・東金町地区:47件
・水元地区:161件
・西水元地区:106件
葛飾区内でも特に犯罪が多い新小岩地区(429件)や亀有地区(376件)と比べると、これらの地区の犯罪数は多いとはいえない。たしかに、水元地区では侵入盗(18件)やオートバイ盗(6件)が区内ワーストではあるが、全体的に見て治安が極端に悪いとはいいがたい。
特に注目すべきなのは、葛飾署管内を含む葛飾区の治安が、東京都の他の地域と比べても比較的安全な部類に入るという点だ。