カートレインは時代を超えて復活するか? 「観光活性化」「環境問題」の時代に再評価、その利便性を再考する
カートレインの復活が議論されている理由には、CO2削減や観光業の活性化、技術の進化によるコスト削減がある。これまでの廃止の背景には、自動車の大型化やコストの問題があったが、最近では環境問題への関心が高まり、再評価の流れが生まれている。現在、7200億円の建設費がかかる青函トンネルの新プロジェクトも検討されており、技術と経済の両面から未来型移動手段として期待が寄せられている。
復活に向けた課題と現実的な可能性
カートレインの復活が議論されるなかで、実現にはまだいくつかの課題が残っている。
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過去に廃止された理由には、自動車利用者の増加や車両の大型化があった。現在でも、これらの問題はカートレイン復活の障害になる可能性がある。特に、現代の自家用車は快適性や安全性が大きく向上しており、
「わざわざ列車を利用する必要があるのか」
という疑問が出てくる。
さらに、運行路線やインフラ整備も大きな課題だ。カートレインは特定の路線でしか運行できず、そのためのインフラ整備には大きなコストと時間がかかる。
具体例として、日本プロジェクト産業協議会(JAPIC)は、北海道と本州をつなぐ「青函トンネル」に続く新しいトンネルの建設を提案している。そのなかで、鉄道と自動車の物流の将来を見据え、カートレインとJR貨物の共用トンネルも提案されている。しかし、建設費用は約7200億円、工期は約15年と見積もられている。
とはいえ、環境問題や交通渋滞、観光業への貢献など、多くのメリットがあるため、カートレイン復活の議論は続くだろう。技術の進化やコストの削減が進めば、このサービスが再び現代に合った形で実現する可能性は十分にある。
カートレインは単なる移動手段にとどまらず、地域経済の発展や環境問題の解決策としても、大きな役割を果たす可能性を秘めているのだ。