バスドライバー不足の救世主? いま「中古バス」ががっつり注目されるワケ 観光業の回復を通して考える

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日本の観光業が回復しているなか、訪日外国人が最も利用する公共交通は鉄道とバスだ。特に注目されているのが、コストを抑えた中古バスで、価格は280万~490万円と新車の約5分の1の安さだ。バス事業者はドライバー不足や赤字に悩まされながらも、経済的メリットを享受しつつ企業イメージを守るという難題に直面している。SDGsへの貢献と効率的な運行を両立させることが求められるなかで、中古バス市場の活用が重要な鍵を握っている。

中古バスのデメリット

さまざまなバス(画像:写真AC)
さまざまなバス(画像:写真AC)

 もちろん、デメリットも存在する。

 SDGs(持続可能な開発目標)の観点から見ると、中古車両を大切に修繕して使い、事業の持続可能性を示すことができる。私たち市民も、その社会的意義を理解することができるだろう。

 しかし、中古車両ばかりが増えると、

「あそこの車は古い」

と乗客に見破られる可能性が高くなる。実際、関東地方のある都市では、新車ばかりを導入するA社に比べ、中古車を導入するB社は、車両が古いとの評価を受けている。

・排ガスの色や匂いが気になる
・車体のすそがさびている
・へこんでいる

などの外観的な問題が、バス事業者の評判を低下させているのも事実だ。

 バス事業者は経済的なメリットを感じながらも、企業イメージの低下を気にして中古車両の導入を検討している。このようなジレンマは、事業者にとってよくある悩みである。

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