トヨタ、台湾でミニバン生産へ 26年日本輸出開始も、想像以上にぶ厚い「台湾有事リスク」の壁

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トヨタは2026年から台湾でミニバンを生産し、日本へ輸出する計画を進めている。しかし、中台関係の緊張により、「海上封鎖」や「海底ケーブル切断」といったリスクが浮上しており、企業に大きな影響を与える可能性がある。シーレーンや輸送の安全確保が重要な課題となっている。

海上封鎖がビジネスに影

総統府(画像:写真AC)
総統府(画像:写真AC)

 また、「海上封鎖」も考えられる。

 日本同様、台湾も多くの輸出入品を海上貿易に依存しており、海上貿易が遮断されれば孤島に陥る。中国が台湾周辺の海域を封鎖すれば、諸外国から台湾へ向かう、台湾から諸外国へ向かう船舶の運航がストップするだけでなく、

「中東から日本へ向かう石油タンカー」

の安全な航行も阻害され、日本のシーレーンの安全も脅かされることになろう。日本のシーレーンは南シナ海から台湾とフィリピンを隔てるバシー海峡を通過し、台湾東部、日本に至る。

 トヨタが2026年から台湾の工場でミニバンを製造し、それを日本へ輸出する際には、こういったリスクが付きまとう。海上封鎖などが実施されれば、ミニバンを日本向けの船で輸送することも難しくなるだろう。

 今日、台湾への短期出張や旅行で大きなリスクがあるわけではないが、台湾に拠点を設ける、台湾でのビジネスを強化するといった場合には、トヨタだけでなく、日本企業としてはこういったリスクを常に念頭に置く必要がある。

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