トヨタ、台湾でミニバン生産へ 26年日本輸出開始も、想像以上にぶ厚い「台湾有事リスク」の壁

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トヨタは2026年から台湾でミニバンを生産し、日本へ輸出する計画を進めている。しかし、中台関係の緊張により、「海上封鎖」や「海底ケーブル切断」といったリスクが浮上しており、企業に大きな影響を与える可能性がある。シーレーンや輸送の安全確保が重要な課題となっている。

通信遮断の恐怖

ヴォクシー(画像:トヨタ自動車)
ヴォクシー(画像:トヨタ自動車)

 無論、台湾統一に向けての選択肢で、台湾本島への軍事侵攻というオプションは最後のものとなろうが、それまでの間にさまざまな圧力が加えられることは想像に難くない。既に中国軍機による

・中台中間線超え
・台湾の防空識別圏への侵入

などは常態化しているが、中台関係の冷え込みが続けば、中国はもっと踏み込んだ措置を発動してくるだろう。

 ひとつに、「海底ケーブルの切断」がある。

 中国大陸が目の前に見える台湾離島の馬祖列島では2024年2月、台湾本島とつながる海底ケーブル2本が相次いで切断される出来事があった。馬祖列島につながる海底ケーブルは2本しかなく、切断されたことによって一時島外との連絡が一切取れなくなり、情報も入ってこないことから事実上の孤島になったと地元住民は不安の声を口にした。

 台湾政府は海底ケーブルの切断時の周辺海域の動向から、中国の貨物船や漁船が関与したとしているが、こういった海底ケーブルの切断はここ数年で30件あまり報告されており、中台関係の冷え込みの長期化によっては、台湾本島と離島だけでなく、

「台湾本島と日本がつながる海底ケーブル」

にも影響が及ぶことも考えられよう。

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