なぜ日本は「渋滞天国」なのか? なんと“年12兆円”の損失が語る圧倒的リアリティーとは

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渋滞は日本の車社会における深刻な問題で、毎年約53億時間もの損失を引き起こしている。国土交通省やNEXCOは新しい道路の整備や渋滞ポイントの対策を進めているが、私たちドライバーも運転時に気をつけることで、渋滞による損失時間を減らすことができる。

深刻な三大都市圏や山梨・岐阜・沖縄

沖縄の国際通り(画像:写真AC)
沖縄の国際通り(画像:写真AC)

 先ほどのランキングに入っている四つの都市は、日本の三大都市圏に位置している。三大都市圏の渋滞損失時間は年間で

「約30億時間」

とされており、日本全体の約半分がこの地域での損失となっている。三大都市圏は人口が多いため、クルマの所有台数も多く、道路も整備されているが、まだ十分とはいえず、毎日多くの場所で渋滞が発生している。私(都野塚也、ドライブライター)で、東京に住んでおり、仕事とプライベートで年間約6万kmを走るが、渋滞に遭遇しない日はほとんどない。

 さらに、都道府県別の人口あたりの渋滞損失時間の統計を見ると、

・山梨県
・岐阜県
・沖縄県

が上位に入っている。つまり、都市圏だけでなく、地方圏でも渋滞は深刻な問題になっている。

 特に沖縄県では、人口増加以上にクルマの台数が増えており、これは沖縄の鉄道を含む

「公共交通」

の整備が遅れていることも一因だ。沖縄県は全国的に見ても公共交通の利用率が低く、クルマの利用率が高い。

 実は沖縄県の県庁所在地である那覇市は、人口密度が大都市と同レベルで、名古屋市よりも高く、横浜市とほぼ同じだ。そのため、観光で沖縄の道路を利用する人も多く、混雑時の旅行速度は三大都市圏よりも遅くなっている。

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