なぜ日本は「渋滞天国」なのか? なんと“年12兆円”の損失が語る圧倒的リアリティーとは
渋滞は日本の車社会における深刻な問題で、毎年約53億時間もの損失を引き起こしている。国土交通省やNEXCOは新しい道路の整備や渋滞ポイントの対策を進めているが、私たちドライバーも運転時に気をつけることで、渋滞による損失時間を減らすことができる。
渋滞損失時間の数値が高い日本

日本の渋滞損失時間について、2015年に国土交通省が発表したデータによると、年間でひとりあたり約42時間、これは日本全体で
「約53億時間」
に達する。この時間を貨幣価値に換算すると、年間ひとりあたり約10万円、全体では
「約12兆円」
にもなる。これは相当な損失だ。
渋滞中はクルマの運転以外にほとんど何もできないため、ひとりあたり年間42時間を渋滞に費やすのは非常に無駄な時間だ。また、日本全体で年間約12兆円の損失は
「約280万人の労働力」
に相当することも驚きだ。
世界の交通状況の調査結果をまとめた年次リポート、トムトム・トラフィック・インデックスの世界の都市別ランキングでも、2019年の先進7か国(G7)加盟国198都市のなかで、日本の都市が高い順位に入っている。具体的には、
・東京:2位
・大阪:10位
・名古屋:22位
・札幌:42位
・神戸:67位
となっており、特に都市部の渋滞が深刻であることがわかる。