鉄道会社も限界か? 一向に改善しない「撮り鉄マナー違反」、警告強化が意味するものとは

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撮り鉄のマナーが問題視されるなか、危険な撮影行為が多く報告されている。この状況を受けて、鉄道会社は警告文を掲示し、三脚の使用やプライバシー権の尊重が求められている。撮影者は新しいルールを学び、他者との共存を目指す文化を築く必要がある。安全で楽しい撮影を実現するためには、撮り鉄自身の意識改革が急務だ。

誰もが踏み外す恐れを自覚する

写真5(画像:豊科ホタカ)
写真5(画像:豊科ホタカ)

 鉄道写真の撮影は非常に奥が深く、楽しみ方が幅広い趣味だ。列車をカタログ的にきれいに撮影にするには事前の計算と経験が欠かせないし、山や海などを背景に列車を撮影することで、沿線風景の美しさに気づくことができる。

 車両だけでなく、古い駅舎やトンネルなどの施設には、重ねてきた歴史や、地域の栄枯盛衰さえ感じられる。そのために列車を乗り継ぎ、駅から何十分も歩くことも、アクティブで視野を広げる経験となる。

 SNSで多くの傑作が発表され、見られているのも、そうした感動を伝えたい、自分も味わってみたいという思いを反映したものだろう。

 こうした魅力ある趣味を今後も楽しみ続けるには、どうすればいいだろうか。

 最後に、「写真5」、「写真6」(次ページ参照)を見ていただきたい。前者は横浜市内のJR鶴見線の無人駅、後者は川崎市内のJR南武支線の無人駅の掲示である。

 いずれも「三脚禁止」などの注意を記したものだが、「写真5」は「駅構内は電車をご利用になる目的で使用することを前提としており、写真撮影の場ではありません」と明示されている。ここまでの「拒絶」に至るまでにあっただろう問題の大きさを思わせる。

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