秋の京都も観光公害!“手ぶらバス”運行開始も、旅行者「ガン無視」のお寒い現実 タクシー運転手は「荷物もう積めない」と苦笑い
秋の行楽シーズンを迎えた京都市では、観光客が集中する東山地区で観光公害対策が相次いで打ち出された。これらの対策は、路線バスの車内の混雑を解消し、渋滞を緩和することを目的としている。しかし、果たしてこれらの対策が効果を発揮するのだろうか。
清水坂観光駐車場がマイカー禁止に
清水寺周辺では、マイカーやレンタカーが殺到することによる交通渋滞も深刻さを増している。官民併せて10か所以上の駐車場が設けられているが、週末にはすべて満車となることが珍しくない。しかも、駐車場に通じる清水坂や五条坂は道路幅が狭い。駐車場を探す「うろつき運転」の車があると、その後ろに渋滞が生まれている。
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4月には産寧坂で桜の木が倒れ、下敷きになった遠足引率の男性教員が重傷を負う事故があったが、警察や救急隊が駆けつけるのに時間がかかった。近くの土産物店従業員(22歳)は
「救急隊やパトカーまで渋滞に巻き込まれたみたい」
清水坂で客を降ろしたタクシー運転士は
「清水坂は下りだけの一方通行だが、うろつきのマイカーがいると400mほどの距離を下るのに、10分近くかかることもある」
とうんざりした表情。この日も昼前に渋滞が発生していたが、列の先頭に若いカップルが乗った和泉ナンバーの乗用車があった。
市は渋滞対策として10月10日から12月10日まで市営の清水坂観光駐車場をマイカー禁止にする。2023年にマイカーの駐車料金を2割値上げしたが、大きな効果が出なかったためだ。さらに、入庫待ちの観光バスが五条坂に停車して渋滞を引き起こすこともあるため、バスに完全予約制を導入する。市自転車政策推進室は
「市のホームページやSNS、立て看板などで情報発信し、周知を図っている。観光客には道路が狭いことを理解してマイカーやレンタカーの利用を自粛してほしい」
と訴えている。