環状道路はなぜ「環状」になっているのか? 都心と郊外を結ぶ、設計の意外な謎に迫る。

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環状道路は都市交通において非常に重要な役割を果たしている。東京や大阪の環状線と同じくらいの重要性を持つ。ドライバーには多様なルートが提供され、都市の再生や魅力的なスポットの誕生にも寄与している。これからの環状道路にはますます期待が高まっている。

交通流通の分散

中央道上り線に設置された電光掲示板(画像:都野塚也)
中央道上り線に設置された電光掲示板(画像:都野塚也)

 環状道路の存在により、都心部への流入が分散されるようになった。これまで郊外から都心へ移動する際の選択肢は少なかったが、環状道路を経由することで選択肢が大幅に増えた。

 具体的な例として、東京の八王子から東京駅に移動する場合、高速道路を利用すると基本的には中央自動車道(中央道)を使うルートになる。しかし、この区間の中央道は交通量が多く、連日大渋滞が発生している。

 以前は、仕方なく中央道の渋滞のなかを走るか、一般道に迂回するしか選択肢がなかったが、最近圏央道が開通したことで、東名高速道路(東名)や関越自動車道(関越道)への迂回が容易になった。

 もちろん、東名や関越道も中央道と同じように渋滞することはあるが、場合によっては中央道よりも混雑が少ないこともある。そのため、圏央道を経由して迂回することで、所要時間を短縮できる場合がある。

 ルートの選択肢が増えることはさまざまなメリットをもたらし、ドライバーは状況を見ながらよりよいルートを選択できる。しかし、ルート選択が求められるため、ドライバーにはより多くの知識や技術が必要になる。

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