環状道路はなぜ「環状」になっているのか? 都心と郊外を結ぶ、設計の意外な謎に迫る。

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環状道路は都市交通において非常に重要な役割を果たしている。東京や大阪の環状線と同じくらいの重要性を持つ。ドライバーには多様なルートが提供され、都市の再生や魅力的なスポットの誕生にも寄与している。これからの環状道路にはますます期待が高まっている。

都市発展に果たす役割

首都高速中央環状線(画像:国土交通省)
首都高速中央環状線(画像:国土交通省)

 鉄道の環状線といえば、東京の山手線や大阪の大阪環状線を思い浮かべる人が多いかもしれないが、道路にも円を描くようにつながった「環状道路」がある。そして、その数は鉄道よりもはるかに多い。

 例えば、東京23区の一般道でも、都心に最も近い内堀通りをはじめ、

・外堀通り
・山手通り
・環七通り
・環八通り

など、さまざまな環状道路がある。これらの環状道路は日本の交通システムにとって重要な役割を果たしており、都市の発展にも大きく貢献してきた。つまり、環状道路の果たす役割は非常に大きいということだ。

 仕事とプライベートで年間約6万kmを走る私(都野塚也、ドライブライター)も、環状道路に大いに助けられている。今回は、この環状道路の仕組みや重要な役割について、さまざまな視点から紹介していく。

 そもそも、環状道路はなぜ「環状」になっているのだろうか。

環状道路の基本概念

放射線に延びた道路のサポート的役割(画像:写真AC)
放射線に延びた道路のサポート的役割(画像:写真AC)

 環状道路とは、都市の中心から放射状に延びる郊外の道路同士をリング状に結んだ道路のことを指す。例えば、東京の場合、日本橋を起点にして各地域へと道路が放射状に広がっていく。

 このように放射状に道路を延ばすと、中心から離れるほど道路同士の距離が広がっていく。環状道路の主な役割は、中心地からある一定の距離にある道路同士を結ぶことで、交通を円滑にすることだ。

 これから、環状道路が具体的にどのような役割を果たしているのか、いくつかの具体例を挙げて紹介していく。

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