EV販売「44%減」の衝撃! 結局“補助金”がないと売れないのか? 欧州8月の厳しい現実、自動車全体で「2割減」という更なる懸念も
欧州自動車市場では、8月のEVの販売台数が前年比で43.9%減少し、全体としては18.3%の減少を記録した。特にドイツでは、EVの販売が68.8%も減少しており、これは補助金の終了が影響していると考えられている。また、全体の販売台数は14.5万台減少し、HVだけが唯一の成長を見せている状況だ。そのため、EUはフリート規制の緩和を求めている。景気不安も影響しているようで、今後の販売回復は厳しいと見られている。
EV販売不振、全体減少の影響
9月下旬、ドイツ政府と自動車関連団体のトップがオンライン会議を行ったと報道された。この会議は、販売の落ち込みを受けてというより定期的な会合だとしているが、テーマは
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・中国製EVへの関税
・EVへの補助金
・フリート規制の緩和
などホットな話題が含まれている。EVへの補助金については、
「従来の補助金方式だと他国の格安なEVメーカーをもうけさせるだけ」
との批判もあり、フランス方式が検討されている。フランス方式は、製造時のCO2排出量を含めて
「メーカーごとに補助金の有無を決める方法」
だ。この方法だと、生産時における化石燃料の依存度が高い中国製EVは補助金の対象とならない。
もちろん、補助金に反対する意見もある。補助金でEVへの乗り換えを促進すると、
「まだ使えるガソリン車を無駄に廃車する」
こととなり、かえって環境を悪化させるという。またBMWは、補助金は一時的に市場をゆがめる“麻薬”にすぎず、それよりも
「充電インフラを整備する」
など持続可能な対策が望ましいと意見表明している。
EVは「生活になくてはならない」といった確固たるニーズがあるわけではなく、国々の補助金や政策次第で販売台数が増減するのが現状だろう。となれば、2024年もあとわずかであり年内の回復は絶望的といえる。また、欧州の報道を見る限り、
「EVの販売不振だけが取り沙汰されている」
のも気になるところだ。8月は自動車販売全体で18.3%減を記録しており、EVの落ち込みだけに起因するのか、それとも世の中の景気を反映しているのか秋以降を注視しなければならない。