首都高トラックの「車線ふさぎ」動画炎上! ドライバーの勤務先を激しく罵る「正義の味方」は、中小企業のSNS被害を想像できないのか?

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先日、トラックドライバーによるあおり運転が問題になった。この事案に対して、当人だけでなく運送会社にも厳しい批判がSNSに多く寄せられた。しかし、会社は従業員の不祥事に対してどこまで責任を負うべきなのだろうか。

「正義」の暴走が招く危機

物流トラック。画像はイメージ(画像:写真AC)
物流トラック。画像はイメージ(画像:写真AC)

 最後に、今回の事件を起こしたトラックドライバーについても触れたい。

 今回の事案は、間違いなく公序良俗(社会的に妥当とされる道徳観)に反する行為だった。しかし、当人が反省し、更生を望むのであれば、その人を特定してSNSや個人ブログでさらす行為は、デジタルタトゥーとなり、更生の妨げになる。

 さらし行為をする人は、「正義感」が強いのかもしれない。しかし、その「正義感」は果たして正しいのだろうか。法治国家において、懲罰を加えるかどうか、またその程度を決めるのは司法機関だ。懲罰行動のつもりでさらし行為をするのは、あなたが行うべきことではない。それは

「私的なリンチ」

に等しい。今や、SNSでの炎上が企業への攻撃に発展した場合、中小企業には有効な対策が難しい。

 自称「正義の味方」の暴走は、企業経営に回復困難なダメージを与えることがあるため、非常に恐ろしいのだ。

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