首都高トラックの「車線ふさぎ」動画炎上! ドライバーの勤務先を激しく罵る「正義の味方」は、中小企業のSNS被害を想像できないのか?
先日、トラックドライバーによるあおり運転が問題になった。この事案に対して、当人だけでなく運送会社にも厳しい批判がSNSに多く寄せられた。しかし、会社は従業員の不祥事に対してどこまで責任を負うべきなのだろうか。
ドライバー採用の難題
運送会社は、あおり運転のような問題に対してどのような対策を講じることができるのだろうか。
まず考えられるのは、問題行動を起こしそうなトラックドライバーを採用しないという対策だ。採用時にしっかりと応募者の人柄を見極め、倫理観や道徳観に欠ける人や感情の制御が苦手な人を避けるという考え方だ。しかし、これは
「ふたつの観点」
で難しい。第一に、採用時にどれだけ応募者の本質を見抜けるかという問題がある。現在の採用活動の基本ポリシーでは、
・家族関係
・交友関係
・趣味嗜好
など、職務内容に関係のない質問はNGとされている。そのため、仕事の話だけで応募者の人柄を見極めるのは難しい。
第二に、トラックドライバー不足が影響する運送会社の採用事情がある。驚くべきことに、いくつかの就職情報サイトによると、
「応募があった時点で即採用」
してしまう運送会社が少なからず存在するという。具体的には、ドライバー応募の電話を受けたら、「◯月◯日に免許証を持参して来社してください。問題がなければ翌日から働いてもらいます」と応じるそうだ。
このような極端なケースではないにしても、ある就職情報サイトの担当者によれば、ドライバー採用のポイントは次の通りだ。
・複数回の面接はNG。
・採用の返事は長くとも3日以内。できれば面接当日に伝えるべし。
これはドライバーの採用が競争状態にあるため、即断即決をしないと他社に取られてしまうからだ。このような状況では、応募してきたドライバーの人柄を見極めるのは到底無理だろう。