北陸新幹線「米原ルート」 実は“線路使用料”も小浜ルートより安くなるって、マジ?
北陸新幹線の米原ルートは、多くの利点を持っている。所要時間が1分短縮され、料金も130円安く設定されている。また、費用便益比は1.3以上である。維持費は年間26.5億円と試算されており、地域への負担も考慮しなければならない。今後の整備は他のプロジェクトにも影響を与える可能性があるため、透明性のある議論が必要だ。
根元区間の負担問題

今回の北陸新幹線の延伸において、滋賀県や京都府だけでなく、西九州新幹線に関しては佐賀県など、大都市圏から見て根元にあたる自治体が負担に対して難色を示し、整備が進まないケースが多く見られる。
岡山県を起点とする四国新幹線にとっても、この問題は避けては通れない。この懸念についてもコメントをもらった。
「新幹線建設費用の一部をご負担いただく根元区間の自治体の皆さまが様々なご意見があることは承知している。ただ、新幹線の建設により、根元区間においても交流圏域が拡大し拠点性が確実に高まるなど、経済効果も確実に見込まれることなどから、そのようなメリットを丁寧に分かりやすくご説明して地道に理解を得ていくことが大切だと考えている。四国にとっての根元区間である岡山県さまに対しては、コロナ前の2019年に、「四国新幹線整備に伴う岡山県への波及効果調査報告書」を作成、ご説明しているが、コロナ禍以降、期成会としての公式の訪問、ご説明は中断している。今後、岡山の皆さまには四国の新幹線に関するご理解を得られるよう、丁寧にご説明し、機運の醸成に取り組むことが重要であると考えている」
この点については、鉄道ライターの杉山淳一氏が提唱する
「属地負担から応益負担へ」
という議論も進めるべきではないか。新幹線は通過する自治体の便益にかかわらず、また通過自治体に駅ができるかどうかに関係なく、一律で通過距離に応じた「属地負担」では、すべての沿線自治体を納得させることには限界がある。
このため、受益の比率に応じた負担を考えるべきだ。これにより、根元区間以外の自治体の負担割合は増えるが、根元区間の自治体の負担を軽減して早期実現を促すのが「応益負担」の考え方だ。この考え方について、もっと積極的に議論していく必要がある。