北陸新幹線「米原ルート」 実は“線路使用料”も小浜ルートより安くなるって、マジ?

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北陸新幹線の米原ルートは、多くの利点を持っている。所要時間が1分短縮され、料金も130円安く設定されている。また、費用便益比は1.3以上である。維持費は年間26.5億円と試算されており、地域への負担も考慮しなければならない。今後の整備は他のプロジェクトにも影響を与える可能性があるため、透明性のある議論が必要だ。

他の新幹線誘致団体の見解

Yahoo!トップページ「ブランドパネル」広告枠向け四国新幹線バナー画像(画像:四国新幹線整備促進期成会)
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 事業費の高騰と工期の延長により、北陸新幹線延伸事業は困難な状況に直面している。もしこの事業が遅れると、その後の新幹線整備にも影響が出たり、新幹線整備事業全体が萎縮してしまう懸念がある。

 他の新幹線の早期整備のためにも、北陸新幹線の米原ルートを安く早く実現すべきだという声も上がっている。日本維新の会の馬場伸幸代表は、

「北陸新幹線を安価で早期に整備をする事が、その他の新幹線などの早期整備につながる事は確実です」

と筆者にコメントを寄せている。北陸新幹線の問題を見て、他の新幹線誘致団体はどのように感じているのだろうか。最も活発に活動している四国新幹線整備促進期成会に話を聞いてみた。

「資材価格の高騰や人件費の増加により、北陸新幹線に限らず、整備費が事前の想定を上回り膨らんでいることは、報道等で承知している。ただ、物価の高騰は新幹線の建設費用に限らず、日々の生活用品から車や家電などの耐久消費財、そして住宅建設費など多種多様な分野に広がっている。そして、それは新幹線と同じインフラ整備の一つである、道路の建設費用についても同じであり、ひとり新幹線のみ建設費の高騰について取り上げられるのは、偏った切り口ではないかと考える。大切なのは、新幹線が大量輸送、高い安全性、定時性を兼ね備え、環境性能や災害強度にも優れた高速交通インフラであり、地方創生の起爆剤、切り札となりうることに些かも変化がないことであり、我々としては引き続き、新幹線の必要性を皆様にご理解いただけるよう努めてまいりたい」

新幹線だけが物価高騰の影響を受けているわけではない。もっと広い視野で建設費について議論していくべきだろう。

 また、「災害強度に優れたインフラを残す」ことは防災の観点からも重要で、防波堤への投資と同じ要素を考慮すれば、B/Cが1を超えることが必ずしも正しいとは限らないという視点も持つべきである。

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