日産とトヨタのアプローチが正反対! 「電動車向けエンジン」はロングストロークorショートストローク、結局どちらが優位なのか?

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世界の自動車メーカーは急速なEVシフトに直面し、内燃機関の必要性を再評価している。日産はロングストロークエンジンの開発を進め、熱効率50%を目指している。一方、トヨタはショートストロークを採用し、エンジン全高を10%低減した。両社は異なるアプローチを取りながら、電動車向けの効率的なエンジン開発に取り組んでいる。エンジンの進化は電動車時代においても続いている。

トヨタは搭載性重視のショートストローク化

新エンジン概要(画像:トヨタ自動車)
新エンジン概要(画像:トヨタ自動車)

 トヨタも次世代の電動車向けエンジン開発に取り組んでいるが、従来の方針から一転してショートストローク化を選択した。

 これまでトヨタは、HV向けに効率を重視したロングストロークエンジンを採用し、熱効率の向上を目指していた。しかし、2024年発表した新型1.5Lエンジンと2.0Lエンジンは、ショートストロークエンジンとなっており、同じ排気量でも気筒数を増やしたり、シリンダーあたりのボアを大きくすることでストローク量を減らしている。このショートストローク化は、車への搭載性を重視した結果であり、従来のエンジンと比べてエンジン全高を約10%低減させている。

 トヨタはショートストローク化によってエンジン自体の効率が低下することを認めており、燃費性能もロングストロークエンジンには及ばない。しかし、トヨタの戦略は車全体での効率化を求めるもので、エンジン全高が低くなったことでボンネットの高さを低くでき、これにより空力性能を向上させる狙いがある。

 また、車の走行性能はモーター重視のシステムを採用することで、エンジンの苦手な領域をカバーする考えだ。ショートストロークエンジンはエンジン単体では効率が低下するものの、セダン系の車種で12%の燃費向上効果を見込んでいる。

 エンジン単体の熱効率を追求する日産と、車全体で効率化を図るトヨタは、アプローチは真逆だが、どちらも電動車をメインに見据えた高効率な自動車開発を目指している。エンジンの進化は電動車の時代においてもまだまだ進む余地がありそうだ。

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