ブラジルのフラッグキャリア「ヴァリグ航空」はなぜ破綻したのか? かつては日本~ブラジルを24時間で運航、その栄光と悲劇を振り返る

キーワード :
, ,
ヴァリグ・ブラジル航空は、かつて世界でも有数の長距離路線を持ち、日本とブラジルを24時間で結んでいた。しかし、経営不振と競争の激化により、2004年に撤退してしまった。歴史あるフラッグキャリアの消滅は、航空業界の厳しさを物語っている。

伯フラッグキャリアの悲劇

2004年、フランクフルト空港へのショートファイナルに向かうヴァリグ・ボーイング767-300ER型機(画像:Konstantin von Wedelstaedt)
2004年、フランクフルト空港へのショートファイナルに向かうヴァリグ・ボーイング767-300ER型機(画像:Konstantin von Wedelstaedt)

 かつて、成田空港や名古屋空港からはロサンゼルス経由で、地球の反対側にある南米ブラジルのサンパウロやリオデジャネイロへの路線が運航されていた。

 所要時間はなんと24時間にも及び、当時この路線は世界屈指の長距離路線だった。

 この路線を運行していたのはヴァリグ・ブラジル航空で、同社はブラジルのフラッグキャリア(国を代表する航空会社)であり、南米を代表する大手航空会社だった。しかし、2000年代以降、日本路線を含む多くの路線を次々と運休し、2010年には消滅してしまった。

 なぜヴァリグ・ブラジル航空とその日本路線はなくなってしまったのだろうか。この記事でその理由を解説する。

全てのコメントを見る