夏の直射日光をブロック! 日産の「次世代塗装技術」をご存じか? 最大12度の温度低下を実証済み、商用バン・トラックに朗報か
日産自動車が開発した「自己放射冷却塗装」は、直射日光からの熱を最大12度も低下させる効果を実証している。この塗装はエアスプレーで塗布できることや耐候性も確認されており、今後は商用バンなどへの実用化を目指している。地球温暖化対策としての期待が高まっており、特に白系塗装が必要な現状を打破できるかが注目されている。
温暖化防止への期待感

自己放射冷却塗装の実力は、実験室レベルではっきりと確認されており、今後の実用化に大きな期待が寄せられている。
自動車向けの自己放射冷却塗装は、日産以外には実用例がなく、地球温暖化対策が求められる現代において重要な技術となる可能性がある。自動車は走行中や駐車中に直射日光を受けることが多く、何万台、何十万台もの規模で考えると、車1台に蓄積される熱の量は無視できない。
自己放射冷却塗装は、日光を反射するとともに、放射冷却によって熱を電磁波として放出する。この熱は大気層を抜けて宇宙に放出されるため、長期的には地球温暖化対策にも貢献できるかもしれない。
しかし、現時点では自動車用塗装として課題があり、高い効果を持たせるためには
「白系の塗装」
になる必要がある。乗用車向けにカラーバリエーションを持てないことは大きなデメリットだが、日産はまず
・商用バン
・商用トラック
など、白色単色でも受け入れられやすい車種での実用化を目指している。
最近では、乗用車のボディカラーにツートンカラーが流行している。ルーフやボンネットとボディ本体のカラーが分かれる車もよく見かける。日光が直接当たるルーフやボンネットに自己放射冷却塗装の白色を施し、それ以外の部分は好みのカラーと組み合わせられるようになれば、カラーバリエーションの対応とデザインの魅力が高まるだろう。
将来性のある塗装技術として、羽田空港での日産の実証実験結果に期待が持てるのだ。