JR西vs地元首長 兵庫「加古川線」一部存続危機も、兵庫県の交渉リーダーシップがすっかり薄れたワケ
兵庫県のJR加古川線の一部区間が存続の危機に直面している。JR西日本とのせめぎ合いのなかで、斎藤元彦知事に関する疑惑が浮上し、兵庫県の存在感が薄れてきている。
一刻も早い混乱の収拾が必要

兵庫県と同様にローカル線の存続問題で揺れる中国地方では、副知事や本庁の部長級が会議に出席し、県が地元を代表してJR西日本と対峙(たいじ)している。その際、知事は記者会見やコメント発表で頻繁に県の主張を訴えている。兵庫県との対応の差が目立つ。
中国地方の県庁で交通行政を担当する職員は
「県が前面に出て対応するのと市町村長に任せるのでは、交渉の圧力が違う。報道を見る限り、加古川線は弱いところを突かれたように感じた」
と感想を述べた。これに対し、兵庫県総合政策課は
「WTは利用促進を話し合う場。議論の結果が協議会に報告され、検討される。県の対応に問題はない」
としている。県民局長は本庁の部次長級が就任するポストで、単なる出先の長ではない。加古川線WTの代表は片山西脇市長。沿線任せにするつもりはなく、制度にのっとって対応しているという。
沿線では、西脇市の黒田庄まちづくり協議会と比延地区自治協議会、丹波市の久下自治振興会が「JR加古川線維持・利用促進地域協議会」を設立し、11月ごろから本格的な住民運動を展開する計画。黒田庄まちづくり協議会は
「加古川線を残すには利用促進しかない。住民としてできる限りのことをしたい」
と力を込める。
JR西日本も福知山線と加古川線の乗換駅になる谷川駅で対向列車待ちの停車をしている福知山線の特急「こうのとり」の一部を乗り降りできるようにする実証実験を9月いっぱい続ける。特急接続で利用がどれだけ伸びるか、確かめるためだ。
斎藤知事の疑惑で兵庫県は大混乱に陥っている。だが、大阪・関西万博の開幕が7か月後に迫り、利用促進の結果を出すまでに時間的余裕はない。沿線住民は兵庫県が一刻も早く混乱を収拾し、リーダーシップを発揮して対応することを求めている。