変革する自動車業界! 三菱電機&アイシン「異例の新会社」設立は何を意味するのか?
三菱電機モビリティとアイシンが新会社を設立し、EVシフトに対応する異例の協業を開始。部品点数は約3万点から約2万点に減少し、エンジン関連企業は厳しい変革期を迎えている。電動化やADAS技術を活用し、CASE領域で新たな成長を目指す。
EV市場拡大の波、未来への挑戦
三菱電機モビリティ(東京都千代田区)とアイシン(愛知県刈谷市)は以前、車の電動化や電動車に関する事業を行う新会社を設立し、創業を目指すと発表した。
この2社は自動車関連の部品生産や開発を行っている企業で、将来の電気自動車(EV)シフトに対応するために異例の協業を行う。EVシフトとは、世界的にEVの普及を促進する動きであり、特に欧州や中国市場では自動車市場におけるEVのシェアが大幅に拡大している。
EVは排ガスを排出しないクリーンな自動車として注目されており、エンジン搭載車に比べてCO2排出がないため、地球温暖化対策としても期待されている。各国政府はエンジン搭載車の廃止を進めており、将来的にはエンジン搭載車が大幅に減少すると見られている。
このような動きに対し、これまで自動車のエンジン関連部品を開発・生産してきたサプライヤーには大きな変革期が訪れている。EV関連事業に乗り出さなければ、将来性が不透明になってしまうからだ。
三菱電機モビリティとアイシンはエンジン関連の事業も持っているが、新会社は電動化を事業の中心に据えることでEVシフトに備えている。三菱電機モビリティはモーターやインバーターなどの電機系技術に強みを持ち、アイシンは電動車向けの電動ユニットの開発経験が豊富であるため、両社が組むことでより高効率でコンパクトな電動ユニットの実現を目指す。
さらに、制御ソフトウエアを車両やシステムの視点から最適化することも視野に入れており、ハードウエアとソフトウエアの両面でEVシフトに対応していく予定だ。