全固体電池の開発に成功! 中国の電池メーカー「鵬輝能源」は、EV市場のゲームチェンジャーになれるのか?
広州鵬輝能源が全固体電池の開発に成功、2026年から量産開始予定。エネルギー密度280Wh/kgで、コストは現行のリチウム電池より約15%増。日本企業は品質重視で慎重な姿勢を崩さず、競争が激化するなか、鵬輝能源の動きは業界のゲームチェンジャーとして注目を集めている。
開発競争加熱中
2024年8月、中国広東省の電池メーカー、広州鵬輝能源科技(鵬輝能源。Guangzhou Great Power Energy & Technology)が全固体電池の開発に成功し、2026年に量産を開始することを発表した。このニュースは大きな注目を集めている。現在、各国の企業が全固体電池の開発に力を入れており、その競争はますます激化している。
全固体電池は、リチウムイオン電池の次世代技術として期待されている。電解質に固体を使用することで、従来のリチウムイオン電池に見られる電解質の蒸発や液漏れといった安全性の懸念を解消できる。また、寿命が長く、広い作動温度範囲を持ち、小型化や薄型化、大容量化、さらには重ねることや折り曲げることが可能という自由度の高さも大きなメリットとされている。
日本では、トヨタが2027年度に国内で固体電解質のパイロットプラントを稼働させ、2027年から2028年にかけて発売予定の電気自動車(EV)に搭載して商品化する計画を立てている。また、日産自動車も2028年に全固体電池搭載車の量産を開始する予定だ。
中国でも、EV市場での覇権を目指し、全固体電池の開発が進んでいる。2024年5月には、中国政府が比亜迪(BYD)などの企業に60億元超を投資し、支援することが報じられた。実用化と販売を予定している企業も現れており、EV大手の上海汽車集団は2027年に全固体電池を搭載したEVを市場に投入するとしている。