京阪電鉄、大阪・枚方市の未来を賭けた「駅前再開発」は成功するか? 本社も移転、人口減少からの脱却なるのか

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大阪府北東部、枚方市の京阪電鉄枚方市駅前に新しい複合施設が誕生した。9月6日には商業施設がオープンし、13日には京阪電鉄が本社をこの地に移転する。京阪グループが本気で取り組んだ再開発が、この街にどんな変化をもたらすのだろうか。

人口減少と高齢化が進行

枚方市の将来人口推計(画像:枚方市)
枚方市の将来人口推計(画像:枚方市)

 枚方市の人口は4月現在で約39万人。中核市に指定され、大阪府内では大阪市、堺市、東大阪市、豊中市に次ぐ5位に入る。

 淀川南岸に位置する北河内地方の中心都市だが、人口は2009年の約41万人をピークに微減傾向が続く。

 大阪府社会福祉協議会によると、65歳以上が全人口に占める割合は2023年度で28.8%。周辺の地方自治体と比較して著しく高いわけではないが、同じ大阪市のベッドタウンである吹田市の23.7%、豊中市の25.8%に比べると、高齢化が進んでいる。

施設老朽化でくすむ駅前の雰囲気

商業施設が並び、バスやタクシーがひっきりなしに通る枚方市駅南口(画像:高田泰)
商業施設が並び、バスやタクシーがひっきりなしに通る枚方市駅南口(画像:高田泰)

 枚方市駅周辺は1960年代の高度経済成長期から急成長を遂げた。

 鉄道高架化や商業施設整備が進んだのは30~40年前。その後、三越枚方店、近鉄百貨店枚方店など大型店撤退が相次ぐなか、再開発の遅れから老朽化した建物が多く残り、枚方市が2010(平成22)年度に調査した時点では、築30年以上の建物が約6割を占めた。駅前からあか抜けたイメージは感じられない。

 このため、枚方市は再開発で駅前の利便性を高め、それをきっかけに街全体を変えることで将来に備えようとしている。枚方市市駅周辺まち活性化部は

「今後も周辺再開発の二の矢、三の矢を放っていきたい」

と意欲を示した。

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