犬猿の仲だった「東名」「中央道」が、すっかり仲良しになった根本理由
東名と中央道は、東京を起点に約6km離れた位置から始まり、互いに深い関係を築いてきた。戦後の高速道路建設において対立から妥協し、2000年代以降は新たな路線が誕生し、アクセスが向上。東京外環道や三遠南信道路の開通でさらなる関係強化が期待される。
6kmの距離、深い絆
現在、さまざまな地域に広がる高速道路のなかには、起点が同じ位置またはほぼ近い位置にあり、それぞれの経由地を通って終点も同じ位置か近い位置に設定されている路線がいくつか存在する。その代表例が、東名高速道路(東名)と中央自動車道(中央道)だ。
東名の起点は東京都世田谷区の東京インターチェンジ(IC)、中央道の起点は東京都杉並区の高井戸ICで、両ICは環八通り沿いに設置されており、距離は約6kmと近い。東名は主に太平洋沿岸を、中央道は南アルプスや中央アルプスの付近を経由し、愛知県小牧市の小牧ジャンクション(JCT)で両路線は交わる。そこから、東名は小牧JCTから京都・大阪方面に約7km進んだ小牧ICで、中央道は小牧JCTでそれぞれ終点を迎える。
このように、起点と終点が近いことから、東名と中央道は長い間
「深い相互関係」
で結ばれてきた。特に近年はその関係がさらに強くなっている。仕事とプライベートで年間約6万kmを走る私(都野塚也、ドライブライター)は中央道沿いに住んでいるが、一昔前よりも東名を利用する機会が格段に増えている。また、さまざまな路線を走行するなかでも、東名と中央道を走る際には特別な思いが湧いてくる。
東名と中央道の関係には、現在に至るまでさまざまな変化を経た歴史がある。これを知ることで、走行する楽しさや思い入れがより深まるので、ぜひ知ってほしい。