ゴミか?お宝か? 「EV用リチウムイオンバッテリー」の今後を左右するリサイクル市場の行方とは
リチウムイオンバッテリーの需要は急増し、2030年には130億ドル市場へ成長が見込まれる。しかし、リサイクルは全体の5%と低迷。新技術やリユース手法の進展が求められる中、欧州でも43億ドルの市場成長が期待されている。供給不足を回避するために、今からの取り組みが必要だ。
再資源化の課題
リチウムイオンバッテリーの需要は、世界中で急速に拡大している。特に、大型のバッテリーを必要とする電気自動車(EV)市場は、2027年までに8580億ドルに成長すると予測されている。
しかし、バッテリーの主要材料であるレアメタルの供給が需要を下回る可能性があり、リチウムイオンバッテリーのリサイクルが避けられない状況になりつつある。それにもかかわらず、現在リサイクルされているバッテリーは全体のわずか5%にすぎない。
リチウムイオンバッテリーの需要増加を支えるために、リサイクルは重要な役割を果たす。しかし、バッテリーには可燃性の有機溶媒や空気中の水分と反応して腐食性の有毒ガスを発生する電解質が使われており、処理が非常に困難だ。そのため、リサイクルコストとのバランスが取れず、再資源化が進んでいないのが現状だ。
こうした課題を乗り越え、リチウムイオンバッテリーのリサイクル市場は、2030年までに
「130億ドル」(約1兆8820億円)
に達する可能性があると予測されている。その理由はどこにあるのだろうか。