トヨタ「インド新工場」 投資額3600億円も、市場拡大に潜む“若者の経済不満”というリスク

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トヨタはインド経済の成長と若年層労働市場への期待から、同国での生産拡大を進めるが、経済格差やテロリスクといった社会的不安も増大。インド市場の将来性と潜在的リスクのバランスを見極める必要がある。

急増する労働人口と経済格差の脅威

インド国内販売台数の推移(画像:ジェトロ)
インド国内販売台数の推移(画像:ジェトロ)

 そして、今後の展望を考慮すれば、トヨタを含めインド進出を目指す日本企業は若者たちの経済的、社会的不満という潜在的リスクを念頭に置くべきだろう。

 無論、これまでもインド国内でも起こってきたことだ。経済的に急成長を示すインドではあるが、急速な労働人口の増加に比例するように

「十分な雇用」

が創出されているとはいいがたく、今後は若年層における経済格差だけでなく、学歴を有する若者がそれに見合う職に就けないなどの社会的、経済的不満が広がっていく可能性は排除できない。

 インドの隣国バングラデシュでは7月、公務員の特別枠の撤廃を求める学生らによる抗議デモが発生したが、治安部隊との衝突がエスカレートしていくにつれハシナ首相の退陣を求める暴動へと発展し、結局ハシナ政権は崩壊した。

 同様のことがインドで発生するとは考えにくいが、

・急速な労働人口の増加
・経済格差
・温暖化

による社会的影響などを考慮すれば、若年層による抗議デモや暴動などといった政治的暴力は、インドを含むグローバルサウス(無論、国々によってリスクの度合いは大きく異なる)への進出を強化する日本企業が注視していくべきリスクとなろう。

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