カルロス・ゴーン氏「ホンダ主導の買収劇」を指摘! 日産・三菱自との「3社連合」は今後どうなるのか?

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ホンダ、日産、三菱の3社連合が2024年8月に共同記者会見を開き、次世代ソフト・デファインド・ビークル(SDV)向けプラットホームの共同研究やEVバッテリーの共通化を発表。ゴーン氏は、ホンダ主導の資本提携の可能性を指摘。自動車産業の勢力図が変わるか、今後の展開に注目。

ホンダ主導の買収劇

3社連合の各社の世界販売台数(画像:Merkmal編集部)
3社連合の各社の世界販売台数(画像:Merkmal編集部)

 オートモーティブニュースは2024年8月6日、レバノン在住のカルロス・ゴーンのインタビュー記事を掲載した。

 ゴーンは、8月1日に発表された3社連合に対する見解を求められたのに対し、今回の提携でホンダが主導権を握ることは当然の理で、

「disguised takeover(偽装買収)」

という言葉を用いて、

「ホンダ主導による買収劇」

に発展するに違いないと断言している。その根拠には、3社のうちでホンダが最も主導的な立場にあることを挙げている。

 3社連合の各社を世界販売台数で比較すると、

・ホンダ(407万台)
・日産(344万台)
・三菱自動車(81万台)

となり、3社間の序列は明らかである。また、2025年3月期第1四半期の営業利益では、ホンダが4847億円で過去最高の四半期益だったのに対して、日産は前年同期比99%減の9億9500万円と急失速し、三菱自も前年同期比21%減の355億1900万円だった。

 3社連合に対抗するトヨタグループ連合(トヨタ、ダイハツ、スバル、スズキ、マツダ)の世界販売は1600万台ほどで、3社連合の倍に近い規模を誇る。営業利益に至っては、トヨタ自動車だけでも1兆3084億円(前年同期比17%増)と3社連合を大きく引き離しており、“弱者連合”とやゆされるゆえんである。

 ゴーンはインタビューのなかで、

「協業を通じてできることは、全体のわずか5%程度にすぎない。残りの95%はお互いが腰を据えて、しっかりとしたリーダーシップを発揮しながら、仕事の分担を明確にしていく必要がある」

という言葉を残している。ルノーと日産の経営統合を主導したゴーンならではの発言だが、3社連合による資本提携が奏功するかは、まさしく

「いうはやすく行うは難し」

である。

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