大井川鐵道の素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない【リレー連載】偏愛の小部屋(11)

キーワード :
, , ,
大井川鐵道は、昭和の名車やSL、旧型客車などが走るノスタルジーあふれる鉄道だ。アプト式鉄道の急勾配区間や勾配90パーミルを体験でき、スタッフの温かいサービスも魅力だ。現代とは異なる旅を楽しみ、日本の原点を感じることができる。

やばいポイント1「関西を中心にした私鉄の名車」

16000系の車内(画像:写真AC)
16000系の車内(画像:写真AC)

 大井川鐵道では、昭和時代に活躍した私鉄の名車たちが今も活躍している。まずは近鉄南大阪線で特急列車として活躍した16000系。車内にはオレンジ色のモケットの特急用シートがずらりと並ぶ。

 この車両は有料特急としてあべの橋から吉野まで多くの乗客を運んだ。デビューは1966(昭和41)年で、もうすぐ還暦である。それ以上の車両もある。元南海の21000系だ。南海高野線の特急・特急用として1958年に製造された。川根路ではいわゆる“湘南顔”のズームカーを見ることができる。

 東急7200系は1968年に製造された。鋼製車が主流だった大井川鐵道では文字通り異色の存在だ。東急の主要路線で活躍した後、青森県の十和田観光電鉄を経て、3度目の活躍の地となった。両運転式に改造されたため、単行運用にも対応する。現役車両は、大手私鉄時代と同じ塗装で、懐かしさを覚える。かつては京阪3000系のテレビカーも活躍していた。

 往年の関西の車両が静岡で楽しめるのは、関東側のファンにとってはうれしい限りだ。かつては小田急電鉄のロマンスカーSEや岳南鉄道のセミステンレスカー1100形、北陸鉄道の6010系などエポックメイキングな名車も大井川鐵道に在籍していた。

全てのコメントを見る