5月デビューの三田線「6500形」 初の8両化は「混雑率161%」を打破できるか
都営三田線の新型車両6500形が5月にデビューする。定員は1172人となり、混雑緩和や輸送力増強に大きく貢献する。同線の混雑率は緩和されるか。
なぜ8両編成となったのか
![都営三田線と西高島平駅(画像:(C)Google)](https://merkmal-biz.jp/wp-content/uploads/2022/03/220316_mita_02.jpg)
さて、6500形はなぜ8両編成になったのだろうか。その理由は三つある。ひとつ目は、都営三田線の利用客から混雑緩和を求める声が多く寄せられたことだ。
同線でもっとも利用客が多い西巣鴨~巣鴨間の混雑率は、2014年度が150%に対し、コロナ禍前の2019年度になると161%になっている(2020年度は129%)。西高島平~西巣鴨間は自局線、他社線ともに乗換駅がないため、沿線人口が増加しているのだ。特に西高島平は埼玉県和光市まで徒歩約8分という近さもあり、「埼玉都民」の利用客も多い。
都営三田線を運営する東京都交通局は混雑緩和策として、ラッシュ時の列車の運転本数を1時間あたり19本から20本までに増やしたが、6両編成のままでは今後も混雑率の上昇が予想されていた。
ふたつ目は、相互直通運転を行う目黒線不動前~目黒間の混雑率も上昇したことだ。2014年度の161%に対し、2019年度は178%となった(2020年度は126%)。ただ、ラッシュ時の列車の運転本数は1時間あたり24本のままとなっていた。
目黒線は東横線のバイパスとして都心への新しいルートとなり、東横線の混雑緩和に貢献した。その後、田園都市線のバイパスとして大井町線を改良し、2008(平成20)年3月28日から急行列車の運転を開始。大岡山で目黒線に乗り継ぐことで、都心への新ルートが構築された。これに伴い、目黒線の利用客がさらに増えたのだ。
さらに相鉄・東急直通線の開業(2023年3月予定)により、新しい都心ルートが開拓される。相模鉄道は10両編成と8両編成の2種類であるからか、東京メトロと東急電鉄、東京都交通局は8両編成に増結することになった。ただ、全列車8両編成ではなく、一部の列車は引き続き6両編成で運転される。