EVと気候変動対策の岐路! 米大統領選がもたらす激変の予兆とは

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11月の米大統領選挙は気候変動対策に大きな影響を与える。トランプ前大統領が再当選すれば、パリ協定から再脱退の可能性が高い。バイデン大統領の気候対策を覆す「トリプルレッド」が実現すると、気候政策に大きなブレーキがかかる恐れがある。

トランプ銃撃、バイデン撤退の影響

EVのイメージ(画像:写真AC)
EVのイメージ(画像:写真AC)

 2024年11月5日に行われる米大統領選挙、7月にトランプ前大統領が銃撃され、その後バイデン大統領が選挙戦から撤退し、カマラ・ハリス副大統領が民主党の候補に差し替えられるなど、本選を前に大きな動きが起こっている。

 この選挙の結果は、ウクライナやガザなどの国際情勢に大きな影響を与えそうだが、それだけでなく今後の世界の気候変動対策にも大きな影響を及ぼすと思われる。

 今回紹介する上野貴弘『グリーン戦争』(中央公論新社)は、パリ協定以降の気候変動対策をめぐる国際政治の動きを分析したもので、

・先進国と新興国の対立
・欧州連合(EU)の国境炭素調整の仕組みや問題点
・脱炭素に向けた日本のかじ取り

など、さまざまな問題を論じているが、ここでは本書に書かれている米国の動きを追いながら、米大統領選挙が気候変動対策に与える影響を考えてみたい。

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