率直に言う 零細タクシー会社が生き残るためには「乗り合いサービス」「子育て支援」が必須である
タクシー市場は約1兆5000億円だが、縮小傾向にあり、高齢化が進行中。そんななか、福井県美浜町のデマンド交通「チョイソコ」は、地域交通の改善に貢献している。予算制約と「縦割り」の問題があるが、タクシー業界の将来には、地域福祉との予算ミックスが必要だ。
月4400円で使える地域密着型交通
いずれも高齢者だったが、既存の公共交通と支線であるチョイソコを組み合わせて、美浜から地域の中心地である敦賀まで何とか行けるとのことであった。
現在の台数は2台で、住民を満足させるには足りない。しかし、電話予約が可能なため、予約のハードルは下がっている。また、地元に精通したタクシー事業者が運行を担当していることも安心感につながっている。
高齢者に話を聞くと、乗務員の車内の雰囲気作りも上手だという。デマンド便の運行時間は、平日9~19時30分、土・日・祝日9~17時で、年始(1月1日~3日)のみ運休となる。しかし、運行時間は地元の生活にとって十分だという。
運賃は大人(中学生以上)1回200円、12歳未満と身体障がい者は無料である。定期券もあるのが特徴で、1か月定期券が4400円、通学定期券とシルバーパスが3520円となっている。
担当のタクシードライバーによると、美浜町では以前、親が中高生を送迎するのが一般的だったという。しかし、チョイソコの実証運行により、送迎の負担が軽減されたという。
長引く不況の影響で、共働きの夫婦が増えている。子どもの送迎の負担が減ることで、時間を有効に使えるかどうかの心配もなくなる。
デマンド交通は、運転免許を持たない子どもの通学にも有効だ。子育て支援にも効果がある。