率直に言う 零細タクシー会社が生き残るためには「乗り合いサービス」「子育て支援」が必須である

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タクシー市場は約1兆5000億円だが、縮小傾向にあり、高齢化が進行中。そんななか、福井県美浜町のデマンド交通「チョイソコ」は、地域交通の改善に貢献している。予算制約と「縦割り」の問題があるが、タクシー業界の将来には、地域福祉との予算ミックスが必要だ。

美浜町の乗り合い交通実験

愛知県豊明市で運行中の「チョイソコとよあけ」(画像:平野幸司)
愛知県豊明市で運行中の「チョイソコとよあけ」(画像:平野幸司)

 タクシーは前述のとおり、鉄道や路線バスに比べれば贅沢品である。しかし、少人数の乗り合いにして、経済的負担のハードルを下げれば話は違ってくる。

 先日、筆者は所用で福井県の敦賀・美浜地区に出かけた。この地域はJR西日本の小浜線沿線で、北陸新幹線延伸の恩恵を受けていない。美浜町内の移動となると路線バスも限られる。そこで美浜町では、乗り合いデマンド交通「チョイソコみはま」の実証実験を開始した。

 予約は、インターネットでは利用予定日の2週間前から30分前まで、電話では利用予定日の1週間前から30分前まで受け付けている。受付時間は8~17時で、1月1日~3日の年末年始のみ休業となる。

 サービスは地元のタクシー会社が運行しており、バンでの送迎となる。現地を訪れた際、JR小浜線の到着時刻に合わせてチョイソコを予約し、到着した列車から乗り継ぐ地元の利用者と、福井鉄道による路線バスの到着時刻に合わせて予約し、チョイソコに乗り換える地元の利用者に話を聞いた。

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