日本は12.4年! クルマの「平均使用年数」が年々延び続けている根本理由

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自動車の平均使用年数は米国で12.6年、日本で12.38年に達し、年々延び続けている。この背景には、性能の向上、新車価格の高騰などがある。アフターマーケットの需要が急増し、ビジネスチャンスが拡大するにつれて、長期使用のための自動車メンテナンスの需要が高まっている。

車の耐久性向上と市場変化

自動車のパーツ(画像:Pexels)
自動車のパーツ(画像:Pexels)

 現在の車は昔に比べて格段に性能が向上している。これは、技術革新によってエンジンやトランスミッションなどの部品の耐久性が向上したためだ。

 加えて、メンテナンスや修理のノウハウも進歩している。便利な診断ツールによって、トラブルの早期発見が可能になった。タイヤやオイルなどの消耗品も性能が向上している。

 自動車メーカーが保証期間を延長しているのは、顧客サービス意識だけでなく、耐久性の向上も背景にあるだろう。

 加えて、新車販売価格の上昇は、インフレとサプライチェーンの状況によって複雑化している。自動車メーカーは実に多くのサプライヤーから調達しており、原材料やエネルギー価格の上昇など、さまざまな影響を受けて値上げせざるを得ない事情がある。

 自動車価格の高騰にともない、ローン期間も長期化している。まだ返済が残っているのに買い替えようという気にはならない人が多い。

 中古車市場は活況を呈している。日本の中古車登録台数は、新車登録台数を上回る傾向にある。これは、耐久性の向上による品質のよい中古車の流通と、新車価格の高騰によるものだろう。

  また、近年環境問題がクローズアップされていることも、頻繁に買い替えるのではなく、1台の車を大切に乗るという意識の高まりにつながっているのかもしれない。

 こうしたさまざまな要因から、自動車の平均使用年数はどんどん延びている。

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