異例の大反響! BSフジ・鉄道ドキュメンタリー『今こそ鉄路を活かせ』の監修者が公共交通を改めて問う

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5月5日に放送された鉄道ドキュメンタリー『今こそ鉄路を活かせ! 地方創生への再出発』。番組監修として携わった筆者が、これまでを振り返る。

これまでの鉄道特番にない反響

余市駅(画像:写真AC)
余市駅(画像:写真AC)

 番組放送後、BSフジには特に北海道庁の対応について苦言を呈する内容の感想メールが多く寄せられ、これまでの鉄道特番にない大きな反響があった。さらに、SNS上には

「今の北海道庁に任せていたら北海道は破壊される。北海道には国が積極的に介入すべきだ」
「小樽~余市間はJRは廃止、バス転換も困難ってなったら余市の高校生はどうなるんだ?小樽に通えないじゃん」
「これが「攻めの廃線(敗戦)」の知事のやることか、ずさんすぎるな」

など怒りの声が噴出した。

 番組放送後の2024年6月24日に開かれた余市町の定例町議会一般質問で、斉藤啓輔町長は並行在来線のJR函館本線余市~小樽間について

「バス転換合意は迅速かつ大量輸送の確保が前提。それが崩れる場合は合意を撤回する」

と答弁している。

 さらに、JR北海道からBSフジに対しても抗議が寄せられた。番組制作会社社長でプロデューサーの堀内氏は、

「最初は番組の内容に対する抗議かと思ったが、無断撮影に対する抗議だった」

という。抗議の内容については、小樽駅の外観撮影と布部駅の外観撮影、根室本線の廃線跡の撮影が無断撮影にあたるというものだったが、JR北海道に対しては「何かJR北海道さんを傷つけるような映像になっていますか」といったところ、

「あれはうちの土地だ」
「勝手に入った」

と主張してきたという。例えるならば、多くの人々が利用する駅は公共性の高い場所で、大阪駅の駅舎を撮影していたところJR西日本の社員が飛んできて「無断撮影だ」とクレームをつけるようなもので、いずれにせよJR北海道が

「番組の内容が気にくわなかったとしか思えない」

という。番組の内容としては、JR北海道に対して批判的な要素はなく、むしろ

「JR北海道が現在のような窮地に陥ったのは、JR北海道の責任によるものではなく国の運輸政策の失敗が根本的な原因である」

と述べている。JR北海道は、この番組の何が気にくわなかったというのであろうか。

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