転生したら「サンライズ出雲」だった件
寝台特急・サンライズ出雲は、山陰と東京を結ぶ重要な交通手段であり、特に個室寝台とユニークな「のびのびシート」で人気がある。1998年に誕生したこの列車は、時代を超えた夜行列車文化を代表し、今でも多くの乗客に愛されている。
自己紹介
吾輩は「サンライズ出雲」である。名前はあるといえばあるし、ないといえばない。ある朝、なにか気がかりな夢から目をさますと、吾輩が寝床のなかでサンライズ出雲に転生しているのに気づいた。
元は人間だったが、気づけば日本唯一の寝台特急として、在来線の最長距離定期列車として毎晩東西を駆けている。今回は吾輩の視点から、サンライズ出雲としての自分を評価していこうと思う。
これは新たな車両評論のスタイルである。“マジガチ”のコメントはくれぐれもお控えください。
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吾輩は、山陰の松江と東京を結ぶ寝台特急で、両親はブルートレイン出雲。1998(平成10)年に山陰本線経由の出雲2・3号の父の遺志をついで運行を開始した。
ちなみに、母の山陰本線経由の出雲1・4号は2006年まで活躍し、わずかな期間であったが母と子で夜行列車の文化を支えていたのは、今では懐かしい思い出だ。
実は、吾輩にはサンライズ瀬戸という“いとこ”がいて、岡山~東京間はタッグを組んで走っている。年のことはあまりいいたくはないが、吾輩は1998年7月10日生まれの26歳だ。人間の26歳といえばこれからという年齢であるが、電車の世界ではもう
「中年のおっさん」
である。同じ伯備線で活躍した381系やくもは、1982(昭和57)年登場で40歳を超えるまで老体にむち打って頑張ってきたが、長距離を走る吾輩はその年まで走る自信はない。