コロナ禍でネット通販急成長も 企業が「返品」サービスに力を入れるワケ

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「返品」への取り組みに力をいれる企業が増えている。米国では、返品による廃棄物の増加を回避しようと再販・収益化までを自動化する動きが見られる。

日本はこれから本格化

米Optoroのウェブサイト(画像:Optoro)
米Optoroのウェブサイト(画像:Optoro)

 これまでの返品は、ただ返送され、破棄になってしまうケースも多くあった。一見、社会的貢献と返品は相いれないように思われるが、そうでもない。

 アメリカでは返品による廃棄物の増加を回避しようと、再販・収益化までを自動化する動きが見られる。返品から再販までをほぼ丸ごと請け負うOptoro(オプトロ)の物流サービスが、大手小売企業に採用されているのだ。家具のIKEAやホームセンターのHome Depotがその一例といえる。

 訳あり商品でも新古品でも、安く購入したい購入者の市場の大きさはフリマアプリの流行を見れば容易に想像ができる。企業側からすれば、なるべく利益を上げるためにも、返品に力を入れると同時に、再販売にも注力せざるえない。なかにはブランドイメージの向上のために「サステナビリティ」を意識して、再販に取り組む企業もある。

 話は戻るが、前述のSMARIボックスからの商品回収もSDGsへ一部貢献している。商品回収はローソンへの配送車両の帰り便を活用。物流センターに集約後、センコーグループの東京納品代行のトラックで各通販事業者に配送する仕組みだ。

 事業者側が返品における導線の仕組みを作ることで、新たに車を手配することなく「脱炭素化」を実現した。これはSDGsに向けた取り組みといえるだろう。

 とはいえ、返品が既に当たり前なアメリカと比較して日本はまだまだこれからだ。

 消費者としては、

・返品、交換が気軽になり、より通販を利用しやすくなる
・リユース品購入やシェアリングサービスの幅が広がる

事業者としては、

・顧客の満足度を高めることにより、利益が上がる
・差別化を図れる
・社会貢献へのアピールになりうる

こうしたメリットを理解して、取り組みが進むことを応援したい。

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