コロナ禍でネット通販急成長も 企業が「返品」サービスに力を入れるワケ

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「返品」への取り組みに力をいれる企業が増えている。米国では、返品による廃棄物の増加を回避しようと再販・収益化までを自動化する動きが見られる。

社会的意義もある

SMARI×Recustomerのサービス(画像:Recustomer)
SMARI×Recustomerのサービス(画像:Recustomer)

 airCloset、Laxus、LOCONDOのように返品のしやすさを介して、付加価値を提供する企業が増えている。

 著者(田中なお、物流ライター)は子育て世代であり、ひとりの頃はゆっくり楽しんでいた試着を現在のリアル店舗ではできないと感じてきた。そのため、服や靴を買う機会がめっきり減った。返品に力を入れることで、こういったニーズを取り込めるのは事業者にとってもメリットといえる。

 そんななか、返品・交換・キャンセル自動化ツール「Recustomer(リカスタマー)」を運営するRecustomerが2022年1月、ローソンなどに配置されている「SMARI(スマリ)」ボックスの利用を始めた。

 SMARIは無人のEC商品返品・返却サービスで、QRコードを読み込ませ、ボックスに商品を入れるだけで返品でき

・レジに並ぶ
・伝票を書く

といった手間が必要ない。

 一方、Recustomerは事業者側が返品を受け付けるため、顧客対応にかかっていた時間を自動化。30分から3分まで短縮が見込めるツールだ。スタートアップ通販事業者が通販サイトを作成するプラットホームとして人気な「Shopify」と連携できる。

 また、カスタマーサポートに割いていた人件費が削減されるため、大手企業だけでなく、スタートアップ企業も「気軽な返品」への参入が容易になるかもしれない。

 企業が返品に注力することは、購入者へ付加価値を提供するだけでなく、社会的意義も持つ。ここ数年でよく見られるようになってきたサステナビリティ(持続可能性)やSDGs(持続可能な開発目標)の実現に貢献できるからだ。

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