世界のEV市場をけん引、多様な事業展開の全貌【短期連載】進撃のBYD(5)

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公共交通の電動化で深センでの成功を収め、世界的にも影響を拡大。BYDは持続可能なエネルギーエコシステムの構築を進め、EVシフトを加速させる存在として注目されている。

急増する電池問題解決策

2024年6月25日発表。主要メーカーの電気自動車(BEV/PHV/FCV)販売台数推移(画像:マークラインズ)
2024年6月25日発表。主要メーカーの電気自動車(BEV/PHV/FCV)販売台数推移(画像:マークラインズ)

 さらに、BYDが重視するのはリユースやリサイクル事業である。

 電池のリユースやリサイクルにも取り組んでおり、2021年にBYDは伊藤忠商事と組んで世界で使用済み車載電池を回収し、元BYD技術者が創業した深センパンドパワー社で大型蓄電池に組み直し、性能検査を行った上で、伊藤忠が工場向けや再エネの出力調整用に販売する計画を発表している。

 この取り組みは、

・EV普及にともなって急増する使用済み電池の処理問題
・再エネ電力の出力変動を安定化させる大型蓄電池の需要拡大

という、ふたつの課題を同時に解決するビジネスモデルだ。

 リユース・リサイクルの重要性は、BYDのみならず、中国政府も強く認識している。

 中国政府は2020年12月、使用済み電池市場の健全な発展を後押しするため、電池の残存価値の算定方法などを盛り込んだ「自動車動力蓄電池の使用済み後の利用推進に関する暫定措置」を公表。リサイクル事業者に補助金を交付する制度も整えたている。

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