京都駅「改良事業」で混雑緩和 しかし、原案では解決できない問題とは?
京都市のオーバーツーリズム対策で京都駅改良事業が決定、嵯峨野線と奈良線の直通化が提案され、期待されている。
不十分な京都市の対策

そんなこともあってか、このほど、京都駅改良事業が発表された。
これは国がまとめた「オーバーツーリズムの未然防止・抑制に向けた対策パッケージ」に、京都市の要望に応じて
・鉄道駅改良への支援
・交通結節点の整備等によるまちづくりへの支援
が盛り込まれていることを背景に、京都駅構内および南北自由通路の改善のための京都駅新橋上駅舎・自由通路を整備が決定したものである。一歩前進だが、コンコースの改良しか行われないものであり、前述の櫛形ホームによる混雑集中と人列による渋滞にはまったくプラスにはならなさそうだ。
乗り換え客をさばくことも大事だが、そもそも乗り換え客を減らす、そのために駅構造を変えて京都終着の路線同士の直通化とそれによる乗り場のコンコース付近への集約化も考えるべきではないだろうか。
乗り換えの機会を減らせば人の滞留も減り、観光名所間の移動時間の短縮でひとりあたりの訪問施設数も増やせるし、消費機会や消費額も増える。そしてこの点を踏まえて直通化と乗り場の集約化にうってつけの路線がある。嵯峨野線と奈良線の組み合わせだ。