韓国と鳥取を結ぶ「日韓定期フェリー」5年ぶりに再開! 東アジアに新経済圏誕生が期待される理由とは
境港と韓国の東海市を結ぶ国際定期貨客船が2024年8月に再開される。境港は日本海を横断する重要な物流拠点であり、南海トラフ地震対策としても強化が求められている。過去の政治対立やコロナ禍を乗り越え、日韓関係改善と地域経済圏の復活を目指す。
境港と東アジアの連携

このように、現在に至るまで環日本海経済圏は、政治に翻弄(ほんろう)され尽くした。有望な境港の発展は常に国家間の対立に阻害されてきたのだ。
そして、現在もウクライナを巡る日露関係という問題も横たわっている。それでもなお、対岸との交流を諦めない境港。
さらに、近年では危機管理対策として日本海に面した港湾の整備も重みを増している。将来、発生が予測されている南海トラフ地震において、瀬戸内海や太平洋側の港湾が利用できなく可能性は高い。
その際に、日本海側の港湾に国際航路が整備されていなければ、物流にも困難を来すだろう。現在、境港は国際フィーダー航路の一部として、港湾機能が強化されているが、なお一層の強化が求められるところだ。
中国のシルクロードは内陸のオアシス都市をつないだ。だが、東アジアには、海のシルクロードともいうべき、もうひとつの交易ルートがあった。日本海を介して、日本と朝鮮半島、中国東北部、ロシア沿海州を結ぶ、まさに環日本海経済圏の原型だ。激動の現代史により分断されたそのルートに、再び命を吹き込む。境港の試みは、そんな意味を持っているのかもしれない。