「子持ち様」批判は大間違い! 子連れに優しい社会は「独身者」にも優しい社会だ クルマ目線で考える
子連れを優遇することを皮肉った「子持ち様」という言葉が、SNS上で物議を醸している。ただ、自動車業界において、子育て世帯は重要な顧客層であり、安全性や技術の進歩にも影響を与える。
「子持ち様」の購買力

若者や都市生活者のクルマ離れが指摘されて久しいが、子育て世帯にとってはクルマは生活に欠かせない。
内閣府の「令和6年3月の主要耐久消費財等の普及・保有状況」調査によると、乗用車全普及率は、ふたり以上の世帯、単身世帯ともに、全体では次のようになっている。
・二人以上の世帯:80.6%
・単身世帯:51.6%
このように、「二人以上の世帯」の自動車保有率は、単身世帯より約30ポイントも高い。つまり、「子持ち様」の購入意欲が高いということだ。少子化とはいえ、自動車会社のCMにファミリー向けのものがあるのは当然である。
クルマの購入を検討する際には、家族構成やクルマの使用頻度、燃費などから車種を絞り込む。子育て世帯にとって、ミニバンは日常生活で最も実用的なクルマのひとつだ。将来子どもが増えても対応できる。週末の買い物や家族でのお出かけだけでなく、友人や祖父母とのお出かけなど、あらゆるニーズに応えられる。
ミニバンの上位モデルは各社とも高価格帯だ。自動車会社にとっては“顔”のひとつとしてアピールする車種でもあり、ミニバンの新型車の登場やマイナーチェンジ、フルモデルチェンジも注目度が高い。