世界的「キャンピングカー」ブーム到来か 国内販売額は過去最高、ドイツは4年で登録数2倍 ヒットの理由とは
コロナ感染拡大でブームに拍車
先のドイツキャラバン産業工業会のデータを見るとわかるが、ドイツ国内は新型コロナウイルス感染拡大前の2020年に最初のキャンピングカーブームを迎えていた。そこに、新型コロナウイルスによる需要増が加わったという見方が正解だろう。
新型コロナウイルスへの感染リスクを回避するために、不特定多数の人と接触する
・船
・飛行機
・鉄道
といった交通機関が敬遠されるようになったことがブームの一番大きい要因だ。
また人混みを避けるために、有名観光地や都市部よりも自然豊かな場所が旅行先に選ばれやすい状況も影響している。
EU域内であれば、家族や友人と過ごしたい場所に自動車で自由に行き来できる点も人気を支えている。キャンプポータルサイトを運営しているADAC社によると、キャンプの目的地としてドイツ国内が1番人気であるものの、イタリアやクロアチアといった南ヨーロッパへの志向が高まっているとのことである。
ドイツ国内では元々海沿いのバカンスが人気である上に、ミュンヘンからアドリア海まで500km程度とドライブに適した距離であることが理由だろう。このほか、2022年はフランスがトレンドになるのではないかという予測もある。
ターゲットは若いファミリー層
キャンピングカーは大きく分けて三つのタイプがある。
・キャンピングトレーラー
・キャンピングカー
・バン
である。
キャンピングカーに疎い人のために、それぞれのタイプについて簡単に解説する。なお、価格はドイツ国内における販売価格を日本円に換算したもの(1ユーロ130円)を記載している。
キャンピングトレーラーは寝室や台所、シャワー、トイレなどがコンポーネントされている車両である。新車は、約200万円から販売されている。しかし、自走できないため、運搬するための車を別途必要とし、かつ運転する者はけん引教習を受ける必要がある。
キャンピングカーは、台所やシャワー、トイレなどがコンポーネントされている自走式の車両である。フル装備の新車は、最低でも約650万円と三つのタイプのなかでは最も高い。
バンは、寝室が車両の天井などにセットされたタイプである。販売価格は新車で約400万円から。かつてマツダが販売していた、オートフリートップ(ポップアップ式のテント)付きのボンゴフレンディがこのタイプに含まれる。
ADAC社の専門家は
「市場において、20代半ばから30代半ばの若いファミリー層向けのバンタイプが今後好調になるのではないか」
と見ている。
実際、キャンピングカー販売台数のおよそ半分はコンパクトなバンタイプだ。キャンプに特化した車両ではなく、日常使いも可能な車が求められている。